ISBN:4087477770 文庫 松樹 剛史 集英社 2005/01 ¥630

『ジョッキー』

なんとまあ、そっけないタイトルである。
帰りの電車を待つ間、会社近くの書店で読む本を物色していたときにふと目に留まった。

手にとってみたが、すぐ棚に戻した。なぜなら「小説すばる新人賞受賞作」と紹介文にあったからだ。おれは新人賞ものはほとんど読まない。完成度の低い小説は読んでてつまらないからだ。

しかし、すぐにまた手に取った。
本の帯に「宮部みゆき氏、絶賛!」とあったからだ(^^;

☆☆☆

なかなか面白い小説だった。
とにかく競馬のことをよく勉強した人が書いていることに驚いた。素人くさくなく、かといってマニアックでもない絶妙な知識のひけらかし方、これがこの小説を上等にしている。

登場人物&登場馬も個性豊かで、非常に魅力的だ。
しかし、それにもましておれが感心したのは、レースでジョッキーが競走馬を操る場面の描写である。革命的といっていいくらい上手だ。
主人公のジョッキーが、レースで騎乗馬の手前を変えさせる場面があるが、これなどはよく取材したものだと感心する。単なる競馬ファンでは知りようのないジョッキーの技術を描写することでこの小説のレースシーンは極めて濃密なものになっている。

☆☆☆

毎日のように『ウイニングポスト7』をやっている。

電脳空間では得られない満足感を得られた1日でした。
(1日で読んでしまった・・・)

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