ISBN:4062127369 単行本 宮部 みゆき 講談社 2004/12/22 ¥1,680

この本の帯に書いてあります「ああ、読み終わるのがもったいない」と。
まさにそのとおり。

この本を買ったときには、ちょっと間抜けなことをしまして・・・。
仕事帰りにいつも立ち寄る本屋さんで、平積みにされている本書を発見。
「宮部の新作だ」
『宮部病』のおれは、とりあえず一冊ひっつかんでレジに持っていったのですが、レジのオネーサンは。

「あの・・・・、それ下巻ですけど??」

おおう。
あまりのうれしさに、上巻と間違えて下巻を手にとってしまっていました。
失敗、失敗(^^;

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宮部の時代小説は面白いですねえ。

最近巷では『ファンタジー』が、もてはやされているそうです。
子供たちが学校の読書の時間に読んでいるという報道もニュースで見ました。
おれが学生だったころに、いわゆるファンタジー系の小説が生まれ、いっときおれもずいぶん読みました。『フォーチュン・クエスト』とか・・・。

今は、ずっと毛色が違っていて『ハリー・ポッター』や『指輪物語』など海外の翻訳ものが中心みたいです。日本のファンタジーはコンピューターゲームから派生した偽物ということなんでしょうか。

そんなこと踏まえて、時代小説というのは、日本版のファンタジーなんじゃないかと、ふと思いました。
舞台は、日本の江戸時代に借りていますが、語られるのは架空の出来事です。見たこともないのに、ノスタルジックな気分になれるのも同じ。

なかでも宮部みゆきは、読者の前に架空の物語を描き出すことにかけては、天下一品です。
奇抜なトリックが仕組まれているわけでもなく、巧妙なプロットが練られているわけでもない。むしろ、稚拙なトリックと破綻したプロットが宮部の特徴かも。

この本、『日暮らし』は破綻していません(^^
とてもよくまとまっています。
決してパッピーエンドではないのですが、ラストでは読む人皆がニンマリとなること請け合いの快作です。

ご賞味あれ!

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