競馬場で馬券を買ったあとに(馬券は外しました。オースミハルカが2200をあんなに走るとは・・・)、映画館に立ち寄りました。『隠し剣鬼の爪』をやっていたので。

日曜日だし、お客さんがいっぱい並んでいるようだとやめておこうと思っていたのですが、映画館に行ってみてびっくりしました。

お客がいない。。。

山田洋二監督の前作『たそがれ清兵衛』はすばらしい作品で、時代劇の新たな地平を切り開いた傑作だったのに、この入りとは・・・・。
もしかしてタイトルがダメなのか?おどろおどろしいタイトルだからな。

よい映画だった佳作である。
前作『たそがり清兵衛』と物語の骨格が似ているので、その点で目新しさがないのは残念だが、それは元々の原作が「うだつの上がらぬ侍が、ひょんな事件からかつて剣の腕を発揮して人々を驚かす」というプロットを持ったシリーズ物だからだ。

美しい作品である。
北国の架空の小藩、海坂藩の四季がそれぞれ美しく画面に展開される。おれが特に感心したのが雪の街の場面である。実に日本的で美しい、邦画なんだから映画にはこういう場面が欲しい。

物語の筋には触れないでおくが、『たそがれ〜』の成功を受けて第二作は苦労もあったと思うが、『鬼の爪』を選んだことはよかっと思う。『たそがれ〜』は単純な話だったが、『鬼の爪』は2重底の話なので見ていて「にやっ」としてしまった。

ただ殺陣に関しては、『たそがれ〜』の方がずっと素晴らしい。
それがかえって山田洋二が、この映画をチャンバラの良し悪しで捕らえて欲しくないというメッセージを込めているようにおれには感じられたのだが。

『スウィグガールズ』と比べるのは、違うような気がするが、あえて比べるとずっと厚みのある映画だ。年を取って教養を深めた人こそ楽しめる映画だと思う。

「教養がある」とうぬぼれている人にお勧め!

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